京都市は2050年の脱炭素社会実現に向け、2026年2月に環境改善事業に特化した資金調達を行うグリーンボンドを発行する。
大和証券は1月15日、同債券を京都府内を含む全国の窓口で法人投資家向けに販売すると発表した。調達された資金は市有施設のLED化や再生可能エネルギーの導入など、市内の二酸化炭素(CO2)排出削減に直結するプロジェクトに充当される。
今回の債券は発行額1,000万円単位の法人向けで、期間は5年間の満期一括償還を予定している。条件決定日は2月6日、払込日は2月20日となり、2031年2月20日に償還を迎える。大和証券のほか、三菱UFJモルガン・スタンレー証券およびみずほ証券が幹事証券会社を務める。
主な充当予定事業には、エネルギー使用量の削減を目指す市有施設の省エネ改修や、ZEB化等の環境性能に優れた施設整備が含まれる。具体的には、稲荷山トンネルのLED化や洛西陵明小中学校の整備などが挙げられ、これらは都市単位での直接的な排出削減に寄与する。また、気候変動適応策として西羽束師川の河川整備といった防災事業も対象となっている。
本債券は第三者機関である日本格付研究所から、環境省の指針等への適合性について最上位評価「Green1(F)」を取得した。購入した投資家は「投資表明」を実施することができ、京都市のホームページに法人名が掲載される仕組みを設けることで、企業のサステナビリティ投資への姿勢を可視化する狙いがある。
京都市は国内外からの投資促進とともに、市内企業によるグリーンボンド発行の拡大を目指している。同市は2050年までのカーボンニュートラル達成を掲げており、今回の資金調達はそのマイルストーンとなる。
投資家による需要状況は、今後の地方自治体による脱炭素ファイナンスの指標として注目される。
今回の京都市によるグリーンボンド発行は、単なる資金調達以上に、地方自治体が主導する「地域密着型カーボンファイナンス」の成熟を示している。
特筆すべきは、調達資金の使途がJ-クレジットなどの外部クレジット購入ではなく、市有施設のLED化や再生可能エネルギー導入といった「直接的な排出削減」に充てられている点だ。これは、将来的なカーボンクレジット創出の種を蒔く行為とも言える。
今後、これらの事業で削減された排出量がクレジット化され、地産地消のカーボンオフセット市場へ供給される循環モデルが構築されるかどうかが、次なる焦点となるだろう。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000058.000134373.html


