Web3技術を活用した気候変動対策を手がけるKlimaDAO JAPANと、物流ソリューション企業の吉田運送は10月31日、ドライポートおよびコンテナラウンドユース(CRU)を通じて削減したCO2排出量をもとに、カーボンクレジットを創出する共同検討を開始したと発表した。両社は、物流効率化と脱炭素化を市場価値に転換し、持続可能な資金循環モデルの構築を目指す。
吉田運送は、港湾と内陸部を結ぶドライポート運営や、空コンテナの再利用を促すCRUの推進により、輸送距離の短縮と空荷回送の削減を実現してきた。これにより物流効率化とCO2削減を両立している。今回の提携では、これらの削減効果をKlimaDAO JAPANのブロックチェーン技術を用いて正確に算定・検証し、信頼性の高いカーボンクレジットとして可視化・流通させる仕組みを構築する。
デジタル技術によるクレジット流通基盤を整備
両社は、
- ドライポート・CRUによるCO2削減効果の算定と可視化
 - 国内外で通用するカーボンクレジット創出スキームの設計
 - ブロックチェーンによるデジタル化と取引基盤の構築
 - 収益を再投資する低炭素物流エコシステムの形成
 
の4項目について共同検討を進める。
特に、カーボンクレジットのデジタル化にはKlimaDAO JAPANが開発を進めるマーケットプレイス「CarbonMall」を活用し、取引や償却の透明性を高める。J-クレジットなど国内認証制度との整合性も視野に入れ、国際的な信頼を得る方法論を策定する方針だ。
持続可能な物流への投資循環を促す
今回の取り組みは、脱炭素化による削減効果を「資産化」し、地方物流の現場に新たな投資を呼び込む狙いがある。吉田運送の既存インフラとKlimaDAO JAPANのデジタル技術を融合することで、排出削減の可視化から取引、再投資までを一気通貫で管理する仕組みを構築する。
KlimaDAO JAPANの濱田翔平代表取締役は、「デジタルカーボンクレジットを通じて、地域物流の脱炭素化を市場価値に変えるエコシステムを実現したい」と述べた。
両社は今後、削減量の実証データをもとにカーボンクレジット化の実務検討を進め、2026年以降の商用展開を視野に入れる。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000137021.html