グリーンカーボン、インドでバイオ炭CDR事業を拡大 Isometric認証で高品質カーボンクレジット創出へ

村山 大翔

村山 大翔

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ネイチャーベースのカーボンクレジット開発を手掛けるグリーンカーボン(Green Carbon)は2026年2月19日、インドのバイオ炭プラントメーカーであるエクセレント・エンファブ(Excellent Enfab Incorporation)と提携し、同国での炭素除去(CDR)事業を大規模展開すると発表した。

グジャラート州および西ベンガル州に新設する2拠点のプラントを通じ、10年間で計18万トンの高品質なCDRクレジットの創出を目指す。

農業残渣を「1000年続く貯留資産」へ転換

本プロジェクトは、インドの農業現場で深刻な課題となっている「土壌劣化」と「農業廃棄物の焼却」を同時に解決するモデルである。花の茎や落花生の殻、竹などの農業・林業残渣を原料とし、産業用熱分解プラントで高耐久型のバイオ炭へと加工する。

生成されたバイオ炭は農地に施用され、大気中のCO2を1000年以上にわたって安定的に固定する。インド国内の土壌有機炭素(SOC)含有率は過去70年間で1%から0.3%へと激減しており、バイオ炭の導入は保水性の向上や作物増収といった「農家の収益改善」というコベネフィットも生み出す計画だ。

厳格な「Isometric」基準による信頼性の担保

特筆すべきは、今回のプロジェクトが英国の認証機関アイソメトリック(Isometric)のスタンダードに準拠している点だ。アイソメトリックは科学的厳格さとデジタル技術を用いた測定・報告・検証(dMRV)を重視しており、生成されるカーボンクレジットは高信頼性(High Integrity)として国際的に高い評価を得る。

同社は2026年第2四半期(4〜6月)の商業運転開始を予定している。バイオ炭クレジットの国際的な取引価格は現在、1トンあたり100ドル〜200ドル(約1.5万円〜3万円)程度で推移しており、年間1.8万トンの創出は市場価値にして年間約2.7億円〜5.4億円規模に相当すると試算される。

南アジア全域への拡張戦略

グリーンカーボンは、2030年までに南アジア全体で年間30万トンのCDRを実現する目標を掲げている。今回のインドでの事業基盤構築は、ベトナムやタイでのプラント建設、さらにはナグプールでのバイオリファイナリー事業へと続く、中長期的なモジュール型拡張戦略の試金石となる。

グリーンカーボンの妹尾COOは、「インドはスケーラブルな炭素除去を展開する上で極めて重要な地域。アイソメトリックやプロ・アース(Puro.earth)といった高品質な基準に基づき、2030年までにメガトン規模のCDR創出を実現したい」と述べている。

今回の提携は、日本のスタートアップがインドの製造技術と連携し、世界的に需要が急増している「高完全性CDR」の供給源を確保した点で意義が大きい。

特に欧州を中心に、従来型の削減クレジットから「除去(Removal)」クレジットへのシフトが加速しており、アイソメトリックのような厳格な認証を得たバイオ炭事業は、今後、排出規制に直面する日本の製造業にとっても有力なオフセット手段となるだろう。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000256.000117956.html