前段階から支援する「プレファイナンス型クレジット取引」が企業の脱炭素戦略を加速
2025年4月23日、ベルリン発の高品質カーボンクレジットの取引プラットフォームを展開するSenkenは、気候変動対策プロジェクトへの初期資金提供に特化したIvy Protocolを買収したと発表した。今回の買収により、SenkenはCDRプロジェクトの“立ち上げからクレジット発行まで”の全ライフサイクルをカバーできる体制を整え、企業向けに新たな価値を提供する。
カーボンクレジット市場は年々タイト化しており、信頼性の高い除去型クレジットを将来的に確保する“先物型”需要が急拡大している。今回の買収によりSenkenは、企業がクレジットを発行前に割安かつ優先的に確保できる「フォワード購入契約」の提供を開始。供給リスクの回避と価格優位性の両立が可能となる。
- Ivyの強み:未認証段階のCDRプロジェクトへの資金供給ツールと評価体制を保有
- Senkenの拡張性:独自のAIベース品質評価フレームワークで市場透明性を担保
- 統合効果:CDRプロジェクトの評価→資金提供→クレジット発行→償却までを一気通貫で支援
Senken CEOのアドリアン・ウォンズ氏は「企業はより安価に、より信頼できる形でクレジットへアクセスできるようになります。今回の統合により、Senkenは“本気で気候インパクトを追求する企業”にとっての最適なパートナーとなるでしょう」と述べている。
「早期支援」が新たなインパクトの鍵に
Ivy Protocol創業者のニクラス・テラヘ氏は、今回の買収について「我々の使命である“早期段階の資金ギャップを埋める”という挑戦が、より大きな規模で実現できるようになる」とコメント。
Senkenによると、今後数週間以内にIvy統合による「プレファイナンス型クレジット取引」のラインアップが企業ユーザー向けに提供開始される。特に、長期的な排出削減ロードマップを策定するグローバル企業にとって、「価格」「確保量」「インパクトの透明性」の三拍子が揃ったソリューションとなる見込みだ。
今回の買収は、CDR市場が“単なる購入”から“投資的関与”へと進化する転換点を示している。Senkenが示すように、これからのカーボンクレジット戦略は「早く関わる者が最も多くのインパクトと価値を得る」構造へと変わるだろう。
参照:https://www.senken.io/blog/senken-acquires-ivy-to-unlock-early-access-to-high-quality-carbon-credits