MetaとEFMが森林炭素プロジェクトで提携 2035年までに67万件超のクレジット創出へ

村山 大翔

村山 大翔

「MetaとEFMが森林炭素プロジェクトで提携 2035年までに67万件超のクレジット創出へ」のアイキャッチ画像

Metaと森林投資管理を行うEcotrust Forest Management(以下 EFM)は、2035年までに676,000件のカーボンリムーバルクレジットを提供する契約を締結した。米ワシントン州のオリンピック半島にある6.8万acの森林を「気候スマート管理」へと移行し、今後10年間で100万トン超のCO₂を除去する計画だ。

EFMは200,000ac以上のFSC認証林を管理しており、20年にわたる持続可能な森林運営の実績を持つ。今回の契約により、森林の価値を最大限に高めながら、安定的な炭素収益を確保。これにより、投資家の資金を活用した新たな森林管理体制が構築される。

プロジェクトには、自然資本投資ファンド「ナチュラル・キャピタル・ファンド」も参加しており、運営するClimate Asset Managementは10億ドル超を自然関連事業に投資してきた。初期段階からMetaが支援することで、森林炭素投資の新たなモデル構築につながった。

Metaは2030年までにバリューチェーン全体での温室効果ガス排出「ネットゼロ」を掲げており、本契約はその一環。2023年の排出量は約740万トンで、Scope1,2の42%削減、Scope3の横ばい維持を中期目標としている。

オリンピックレインフォレストは世界遺産のオリンピック国立公園に隣接し、生物多様性の宝庫とされる。EFMは「5R戦略」(更新・保全・維持・再生・連携)を軸に、木材生産と炭素吸収、文化保全の両立を図る。先住民族との協働、野生生物の保護、観光アクセスの整備も含め、地域全体に恩恵をもたらす構想だ。

EFMは、気候変動対策と森林経済の両立に取り組む企業として、ACR(アメリカ炭素登録機関)の動的ベースライン手法を導入。過剰評価を防ぎ、信頼性の高いクレジット供給を実現している。

引用:https://efmi.com/efm-and-meta-collaborate-to-advance-climate-smart-forestry-in-washington-state