Verraが都市交通で新CDR手法公表 「二輪・三輪EV」へ拡充

村山 大翔

村山 大翔

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米国を拠点とするカーボンクレジット登録機関のVerraは、6月17日、都市部の個人交通の炭素削減を目的とした方法論「VMR0013」の最新版を発表した。これは、従来のCDM(クリーン開発メカニズム)の方法論「AMS-III.BM.」を小規模改訂したもので、対象を電動の二輪・三輪車(オートバイ、スクーターなど)にも拡大し、ビジネス用途の配達サービスも含めている。

今回の改訂は、パブリックコメント期間を経て策定された。同方法論では、自転車専用レーンやシェアリングサービス、駐輪施設などインフラ整備を通じて、都市部の移動手段を従来の化石燃料車両から低排出の二輪・三輪車へ切り替える取り組みを促進することが狙いだ。

Verraによると、この手法は都市部の交通インフラ整備を通じて、温室効果ガス(GHG)の排出削減、大気質の改善、化石燃料依存の低減など複数の効果が期待されている。

CDM方法論の改訂版となるVMR0013では、対象となる車両を電動の二輪車・三輪車に広げることで、個人の移動だけでなく配達業務など商業的活動にも炭素削減が適用可能になった。

カーボンクレジット業界では、都市交通からの排出削減が新たなビジネスチャンスとして注目されている。特にEVの普及促進やインフラ整備が、企業や自治体にとって重要な投資分野となっている。

Verraは今後も、市場動向を見極めながら方法論の改訂や追加を継続していく方針で、次回の改訂プロセスは2026年春頃を目処に予定されている。

参考:https://verra.org/verra-publishes-revision-to-cdm-methodology-for-personal-transportation/