クライメートテック企業Releaf Earthは、ナイジェリアのクロスリバー州にて、同国初となる産業用バイオ炭生産施設の稼働を開始した。2025年5月に発表されたこの施設は、2030年までに4〜6万トンCO2eの除去を目指し、将来的には年間10万トン規模への拡張を計画している。
Releaf Earthは、パームナッツ由来の殻(パームカーネルシェル)を原料とする独自技術「Kraken」を活用し、高純度の加工と残渣活用によるバイオ炭生産を両立。バイオ炭は土壌改良と農業収量向上に寄与するほか、Riverse registryとの連携により、カーボンクレジット(CDRクレジット)としての透明性・追跡可能性も確保されている。
2024年に実施したパイロットでは、地域農家の収量が平均23%増加。カーボンクレジットと農作物収入を合わせることで、農家の所得は最大50%以上の増加が見込まれ、持続可能な農業の推進と貧困削減に資する取り組みと評価されている。
同社はアフリカ全域に豊富に存在する農業廃棄物を活用し、気候変動対策と地域社会の活性化を両立するモデルを志向。Y CombinatorやBreakthrough Energy、AirMiners、Angaza Capitalなどの支援を受け、アフリカに特化した脱炭素加速支援プログラム「remove」の第一期ファイナリストにも選出されている。
近年、バイオ炭は永久的な炭素除去手段として国際的な注目を集めており、Releaf Earthのように地域資源と技術革新を組み合わせた取り組みは、グローバルなCDRマーケットにおける新たな展開として今後も注視される。
参照:https://www.linkedin.com/posts/releaf-earth_activity-7325518517011714049-7TwA