玩具大手のレゴグループ(LEGO Group)は2026年2月26日、炭素除去(CDR)技術への投資を280万ドル(約4億2,000万円)追加すると発表した。
これにより、同社のカーボンクレジットを含むCDR関連の投資総額は850万ドル(約12億8,000万円)に達した。クライメート・インパクト・パートナーズ(Climate Impact Partners)およびクライムファイ(ClimeFi)との提携を通じ、自然ベースと技術ベースの両面から、より広範で信頼性の高い脱炭素経路を検証する狙いだ。
今回の投資拡大により、新たに4つのプロジェクトが同社のポートフォリオに加わった。レゴグループは、単一の手法に頼るのではなく、永続性やアプローチが異なる複数の技術を組み合わせることで、気候変動対策の最適解を模索している。
クライメート・インパクト・パートナーズを通じて、メキシコのキンタナ・ロー州における1万4,000ヘクタール以上の熱帯林再生を支援する。メキシコはレゴグループの製造拠点がある戦略的地域でもあり、地域の生物多様性保護に加え、予算の20%以上を地元雇用に充てるなど、地域経済への貢献も重視されている。
- バイオマス地下貯留
有機廃棄物をスラリー状にして地下深くに注入・封じ込める技術。 - 鉱物化
反応性廃棄物を用いて二酸化炭素(CO2)を人工石灰石に変換し、建築材料として再利用する。 - 海洋炭素除去(mCDR)
下水のアルカリ度を高めることで、海洋におけるCO2の長期吸収・貯留能力を向上させる。
レゴグループのアンネッテ・ストゥーベ最高サステナビリティ責任者(CSO)は、「自社運営における排出削減が最優先であることに変わりはないが、このプログラムにより、将来的に排出削減を補完する可能性のある解決策のスケールアップに貢献できる」と述べた。
同社は2024年からCDRへの投資を開始しており、今回の増額は、従来の排出回避型から、より永続性の高い「除去型」の高品質なカーボンクレジットへのシフトを鮮明にしている。これは、SBTiなどの国際基準が、ネットゼロ達成において高品質なカーボンクレジットの活用を重視する流れに合致するものだ。
レゴグループは、子供たちのために持続可能な未来を築くというミッションを掲げ、バリューチェーン全体での排出削減に取り組んでいる。今回の投資総額5,400万デンマーク・クローネ(約12億円)は、一企業の取り組みとしては先進的であり、不確実性の高い初期段階のCDR市場において、買い手としての「需要シグナル」を送る重要な役割を果たしている。
レゴの戦略は、単なるオフセットではなく、将来のカーボンクレジット価格高騰や規制強化を見据えた「技術への先行投資」である。
日本の中小企業においても、地域資源を活用したバイオ炭や森林管理によるカーボンクレジット創出は、大手企業との長期的なパートナーシップを築く強力な武器になり得る。
参考:https://www.lego.com/en-us/aboutus/news/2026/february/carbon-removal-solutions
