米金融大手のJPモルガンは5月8日、欧州におけるグリーン経済支援を強化するため、新たに「グリーンバンキング責任者」職を設けたとロイターが報じた。新責任者には、同行で10年以上の経験を持つカイ・クリスチャン・ネルガー氏が就任し、再生可能エネルギーやグリーンテック分野での顧客支援を主導する。
欧州顧客の脱炭素を金融面から支援
JPモルガンが新設したこの役職は、同社のグローバル法人金融部門内における「欧州グリーン経済バンキング部門」の責任者として位置づけられる。ネルガー氏が率いるチームは、欧州域内の企業顧客がカーボンフットプリントを削減し、グリーン経済の成長機会を取り込むことを金融・アドバイザリー両面から支援する。
同行は従来から、再生可能エネルギー、グリーンボンド、サステナブルファイナンスなどの分野で投融資を拡大してきたが、今回の人事により、特に欧州市場での「グリーンバンキング体制」の強化を明確に打ち出した形だ。
グリーン経済に向けた顧客ニーズの高まりに対応
JPモルガンによると、気候変動対応やカーボンクレジット制度の活用など、脱炭素をめぐる企業ニーズが高まる中で、金融機関による戦略的支援の重要性が増している。新設ポストを通じ、政策動向やESG規制への対応も視野に入れた包括的なソリューション提供を目指すとしている。
今後、同行の欧州チームがどのように再生可能エネルギー事業者やグリーンテクノロジー企業と連携を深め、資金調達や成長支援に貢献していくかが注目される。