GCCAとGlobal CCS Institute、セメント分野のCCS展開加速で提携

カーボンクレジット.jp 編集部

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グローバル・セメント・コンクリート協会(Global Cement and Concrete Association, GCCA)と国際シンクタンクのグローバルCCSインスティテュート(Global CCS Institute)は2026年6月4日、世界のセメント・コンクリート分野における炭素回収・貯留(CCS)の展開を加速させるための覚書(MOU)を締結した。スペイン・マドリードで開催されたGCCAのCEO会合で発表された、2年間の協働枠組みである。

プロセス排出という構造的制約

セメント生産に伴うCO2排出は世界全体の約7%を占める。その大半は燃料燃焼ではなく、石灰石を焼成する化学反応の過程で生じるプロセス排出である。

再生可能エネルギーへの転換だけでは除去できないこの排出構造ゆえに、商業規模のCCSがセメント分野の脱炭素における中核的な手段と位置づけられている。

GCCAのトーマス・ギヨー(Thomas Guillot)CEOは、業界は複数の技術で排出削減を進めているものの、CCSは依然として最も重要な手段の一つだと述べた。

ただし、CCSを業界の決定的な梃子と位置づける構図は、他の削減手段との関係をどう整理するかという論点も伴う。

政策提言を軸とした協働

MOUに基づき、両者はCCS技術への理解促進、技術的・政策的知見の共有、そしてセメント分野の脱炭素戦略におけるCCSの重要性に関する政策提言を柱に協働する。能力構築やステークホルダー連携も対象に含む。

第一弾の取り組みとして、業界リーダーや主要なステークホルダーを集めたハイレベル円卓会議を設置する。セメント、炭素管理、政策、投資の各分野の代表が参加し、CCS展開の障壁の特定と投資の喚起を図る。

グローバルCCSインスティテュートのジャラド・ダニエルズ(Jarad Daniels)CEOは、専門知識の共有と対話の促進を通じて、CCSプロジェクトが成功するための条件整備を目指すと述べた。

編集部の視点

本件は、セメント分野の脱炭素においてCCSが補完的選択肢から中核的手段へと位置づけを移しつつあることを、業界団体と専門機関の連携という形で可視化した動きである。

プロセス排出という構造的制約を抱える同分野では、燃料転換や混合材活用による削減に限界があり、CCSの実装可能性が脱炭素の達成水準を実質的に規定する。提携が政策提言と投資喚起を前面に置いた点は、技術的必然性を制度・資金の条件整備へ接続する段階に業界が入ったことを示す。

参考:https://www.globalccsinstitute.com/gccagccsimou/