Conestoga Energy、CCUS用Class VI井戸の掘削完了 低CO2バイオ燃料戦略を加速

村山 大翔

村山 大翔

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米の再生可能燃料企業、Conestoga Energyは5月28日、カンザス州ガーデンシティにある同社のBonanza BioEnergy工場近郊で、CCUS(炭素回収・利用・貯留)に向けたClass VI井戸の掘削作業を完了したと発表した。今夏にはEPA(米環境保護庁)への正式な許可申請を予定しており、バイオエタノールの脱炭素化を目指す戦略を一層前進させる。

今回のClass VI井戸は、地表から約1.6キロメートル(1マイル)以上地下の地質層にCO2を安全に注入・封じ込める設計となっており、EPAの厳格な規制にも準拠している。これにより、同社のバイオエタノール製造工程で発生するCO2排出量の100%を耐久的に地下に貯留することが可能となる。

年間約15万トンのCO2を隔離できる能力を持ち、今後は他の企業からのCO2も受け入れることで、追加のカーボンクレジット獲得にも繋がる見通しだ。

さらに、同井戸から22キロメートル離れた地点には、既に同社が保有するClass II井戸があり、EOR(Enhanced Oil Recovery:原油増進回収技術)に活用される。これにより、老朽化した油田の生産効率を向上させつつ、CO2を地中に固定化するという経済性と環境性の両立が実現される。

今回の井戸および関連設備、用地のリースは2024年に第三者から取得済みであり、Conestogaは当該CCS資産の100%を保有している。同社は15年以上にわたりCO2回収・EORに取り組んでおり、業界でも先駆的な存在として知られる。

ConestogaのCEOであるトム・ウィリス氏は、「このマイルストーンは、低炭素バイオ燃料のリーディングカンパニーという我々の使命をさらに推進するものであり、イノベーションと持続可能性への強いコミットメントを反映しています」と述べた。

今後は、掘削で得られた地質・地震・環境データをもとに、EPAへの詳細な許可申請書類の準備に注力するとしている。

参考:https://www.businesswire.com/news/home/20250528763844/en/Conestoga-Energy-Completes-Drilling-of-Class-VI-Carbon-Capture-Sequestration-Well-Advances-Toward-EPA-Application