カーボンクレジットのの不透明性を解消 ClimeFiが「CDRデューデリジェンス」基盤を公開

村山 大翔

村山 大翔

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スイスの気候変動対策プロバイダー、クライムファイ(ClimeFi)は2026年2月17日、二酸化炭素除去(CDR)プロジェクトの評価情報を集約した「デューデリジェンス・カバレッジ・プラットフォーム」をローンチした。

この新プラットフォームは、認定されたバイヤーに対し、同社が独自に評価したCDRプロジェクトの要約レポートを無料で公開するもの。これにより、不透明さが課題となっていたCDR市場において、企業が迅速かつ確信を持って数年単位の長期的な投資判断を下せるよう支援する。

プロジェクト評価を「可視化」し、投資リスクを低減

急速に成長するCDR市場では、情報の非対称性(売り手と買い手の情報格差)が健全な取引を阻害してきた。多くの企業が、不完全または断片的なデータに基づいて長期的な炭素除去クレジットの購入を決定している実態がある。

クライムファイの共同創設者兼CEOであるパオロ・ピファレッティ(Paolo Piffaretti)氏は、「情報の非対称性に悩まされてきた市場において、当社のプラットフォームは透明性を提供し、進化し続ける炭素除去の状況を把握するためのレンズとなる」と述べている。

3つの柱による「アナリスト・レーティング」

同プラットフォームでは、現在市場で活動する500以上のCDRサプライヤーを追跡。そのうち100社以上のデューデリジェンスを実施済みで、常時約70のプロジェクトをアクティブにカバーしている。評価は以下の3つの柱に基づき、独自の「アナリスト・レーティング」として算出される。

  • 炭素の整合性(Carbon Integrity): 除去手法の科学的妥当性と信頼性。
  • デリバリー・リスク(Delivery Risk): 計画通りの除去が実行される確実性。
  • 炭素以外の考慮事項(Beyond Carbon): 環境・社会への波及効果(コベネフィット)等。

これらは動的に更新され、検証の進捗やサプライヤーの最新トレンドがリアルタイムで反映される仕組みだ。

拡大するCDR市場とClimeFiの役割

クライムファイは、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)などのグローバル企業に対し、すでに50万トン以上の永久的なCDR資産の管理を支援している。2025年12月には、1,800万ドル(約28億円)規模の共同調達ラウンドを完了し、1トンあたり平均213ドル(約3万3,000円)で8万5,000トンのCDRを確保した実績を持つ。

今回のプラットフォーム公開により、これまで限られた大手企業や専門機関のみが保有していた精緻な評価データが、より幅広い企業層へ解放されることになる。これは、ネットゼロ達成に向けて高品質な炭素クレジットを求める日本企業にとっても、サプライヤー選定の重要な指標となるだろう。

CDRはバイオ炭や直接空気回収(DAC)など多岐にわたりますが、技術の未成熟さゆえの「不達リスク」が常に懸念されてきました。クライムファイが評価指標をオープン化したことは、情報収集コストを抑えたい日本の中堅・中小企業にとっても、高品質なカーボンクレジットを見極める強力な武器になるはずです。

参考:https://www.climefi.com/blog-posts/climefi-launches-due-diligence-coverage-platform