Altitude 西アフリカで12万トンの「バイオ炭由来CORC」を追加取得 高品質CDR拡大へ資金供給を強化

村山 大翔

村山 大翔

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炭素除去(CDR)専業の金融機関アルティチュード(Altitude)は10月29日、西アフリカのバイオ炭施設から新たに12万トンの「二酸化炭素除去証書(CORC)」を取得したと発表した。認証はCDRレジストリ大手プロアース(Puro.earth)を通じて行われる。

同社は2025年4月にも同地域の施設から2万5,000トンのCORCを購入しており、今回の取引はその拡張にあたる。対象となる施設は、農業残渣や林業廃材を高度な熱分解(パイロリシス)技術で炭化し、炭素を長期固定化するプロセスを採用。環境・社会基準を満たす認証プロセスの下で運営されている。

発行されるCORCは、1トンのCO2除去をデジタル化・証券化したカーボンクレジットとして取引可能で、プロアースのレジストリに登録される。

アルティチュードの最高経営責任者(CEO)ダニエル・ベンジャミン・シュルツ氏は「今回の12万トン追加調達は、持続的な炭素除去を大規模に加速するという当社の使命をさらに前進させるものだ」と述べ、「西アフリカでの高品質CDRの拡大と地域エンゲージメントを一層強化する」と強調した。

プロアースのオフテイク&投資ソリューション部門責任者ジュリアン・ジェイコブ氏は、「アルティチュードによる長期オフテイク契約は、CDR市場の信頼性向上と投資促進に極めて重要だ。今回の12万トン追加購入は、高水準のCDRソリューションに対する確かな信頼を示している」とコメントした。

アルティチュードは9月にも、東南アジアのグリーングロウ(Greenglow)が運営する施設から5万トンのバイオ炭CORCを取得しており、地理的に多様なCDRポートフォリオを形成している。さらに10月には、同社のCDR資金枠「アセント1(Ascent 1)」の供給上限を5万トンから25万トンへ引き上げたばかりだ。

同社は今後、数百万トン規模のCO2除去を実現する長期戦略のもと、バイオ炭を中心とする高品質CDRインフラの拡大投資を進める方針である。

参考:https://www.altitudecarbon.com/news/altitude-secures-additional-120-000t-of-corcs-from-biochar-cdr-facilities-in-west-africa#:~:text=Altitude%2C%20a%20leading%20Carbon%20Removal,of%20CORCs%20in%20West%20Africa.