カーボンマネジメント企業のデヴストリーム(DevvStream)は7月18日、最大3億ドル(約480億円)の資金調達枠を確保し、その第一弾として1,000万ドル(約16億円)を調達したと発表した。
この資金は、ブロックチェーン技術を使った「環境資産のデジタル化(トークン化)」を進めるために使われる。具体的には、サステナビリティ関連インフラを投資家がデジタル資産として保有・売買できる仕組みをつくる計画だ。
調達した資金のうち75%(初回は70%)は、いつでも現金化できるデジタル資産の購入に充てる。これにより、暗号資産を担保にした新たな融資手段も開発し、株式発行による資金調達に依存しない体制を目指す。
さらに、同社は自社が保有するカーボンクレジットや再生可能エネルギー証書(I-REC)もトークン化する方針だ。これが実現すれば、世界中の投資家がデジタルを通じて環境資産に投資できる新たな市場が生まれる。
「今回の資金調達は、資本効率を高め、株主の持ち株が薄まるリスクも減らせる。世界中の投資家がカーボン市場に参加できるデジタルゲートウェイになる」と、CEOのサニー・トリン氏はコメントしている。
今回の取引では、米証券会社コーエン&カンパニーが資金調達の窓口を務めた。
2021年創業のデブストリームは、環境資産の開発・投資・販売を行うカナダ企業。自然由来・技術由来のカーボンクレジットや、炭素回収事業から得られるクレジットを企業や政府に販売している。また、EV充電設備や再エネ発電事業の管理も行い、得られるクレジットやI-RECを収益化している。
今回のデジタル化戦略が、カーボンクレジット市場や炭素除去(CDR)市場にどのような影響を与えるか、今後の動向が注目される。