米リサイクル・ゴー(RecycleGO)と環境団体オーシャン・インテグリティ(Ocean Integrity)は、使用済みプラスチックの回収をカーボンクレジット化する新たな仕組みを7月に発表した。この制度では、海岸やインフラが不十分な地域で回収したプラスチックごみを適切に処理することで、CO2排出の削減効果を「見える化」して企業向けにクレジットとして販売する。
回収とリサイクルのデータは、全てブロックチェーンに記録され、誰でも確認できる透明性を持つ。これにより、プラスチック製品メーカーやリサイクル業者は、循環型経済への貢献を新たなビジネスチャンスに変えられる。
この制度の流れは以下の通りだ。
- プラスチック回収と記録
- オーシャン・インテグリティが現地でプラスチックごみを回収。そのデータ(回収場所・日時・重さ・種類)はリサイクル・ゴーのシステムで記録され、改ざんできない形で保存される。
- 目的との紐付け
- 回収したごみは「海洋環境の保護」「地域のインフラ改善」「リサイクル製品の原料化」など、具体的な目標と結び付けられる。
- CO2削減量の計算
- 焼却や埋立、海洋流出を防いだことで、どれだけCO2排出が抑えられたかを計算。
- クレジット発行と販売
- 第三者機関がチェックし、クレジットを発行。プラスチック製品メーカーなどがこれを購入して自社のCO2排出量(Scope3)に充当できる。
これまでのカーボンクレジット市場は、森林保護や再生可能エネルギーが中心だったが、近年は「プラスチックごみの回収」にも注目が集まっている。
リサイクル・ゴーとオーシャン・インテグリティは、「プラスチック回収を、すぐにできる気候対策に変える」として、企業の参加を呼びかけている。今後は、NFT化されたクレジットや、ブロックチェーン型の取引市場とも連携を進める予定だ。