「バイオ炭」由来のカーボンクレジットをAIとブロックチェーンで証明、CarbontribeとコマースOneが提携

村山 大翔

村山 大翔

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エストニアのクライメートテック企業であるCarbontribe Labs OÜ(カーボントライブ・ラボ)は2025年11月14日、日本のコマースOneホールディングス(東証グロース:4496)と事業提携を締結した。

今回の提携では、コマースOneホールディングスのグループ会社が保有するバイオ炭製造技術に対し、Carbontribe LabsのAIおよびブロックチェーンを活用したデジタル測定・報告・検証(dMRV)技術を適用し、バイオ炭による炭素除去(CDR)の価値を国際的に証明可能な形で可視化・資産化することが目的だ。

この事業提携により、食品残渣などのバイオマスから生成されるバイオ炭が持つ炭素固定量を、AIとデータサイエンスにより自動かつ正確に算出し、その結果をブロックチェーン(分散型台帳技術)上に記録することで透明性を確保する。両社は、バイオ炭由来の脱炭素価値を「デジタルバイオ炭方法論」に基づき、トランジションクレジットなどのデジタル環境価値として生成し、CDR市場における信頼性の高い取引の実現を目指すとしている。

コマースOneホールディングスのグループ会社であるエネサイクルは、外部エネルギーを使わずにバイオマス原料を高炭化度のバイオ炭へ変換する技術を保有している。このバイオ炭は石炭の代替燃料として利用され、温室効果ガス削減に貢献する。

Carbontribe Labsは、英国アースフッド(Earthood)の第三者認証を受けた国際基準「Carbontribe Standard」を開発・運用する企業であり、AI、コンピュータビジョン、ブロックチェーンを統合したdMRV技術で、企業の環境活動の客観的なデータ化とグリーンウォッシュの防止を可能にする。

今回の提携でCarbontribe Labsが開発した「バイオ炭由来脱炭素証明方法論」は、プラントにおける炭素固定量などの環境貢献度を自動で算出し、プロジェクトの信頼性を担保する。この技術導入により、従来のカーボンクレジット生成プロセスと比較し、クレジット生成期間を約1/20に短縮し、認証・発行にかかる運用コストも約50%削減する見込みだ。

両社は、このデジタルカーボンクレジット生成を通じて、透明性の高いCDR市場の健全な成長を支援し、国際的なカーボンクレジット市場へのアプローチを強化する方針だ。将来的には、この信頼性の高いデジタル環境価値を活用した新たな企業価値向上サービスの展開を見込む。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000132024.html