米大手食品メーカーのモンデリーズ・インターナショナル(Mondelez International)は、「気候中立認証(climate neutral certified)」と表示されたクリフバー製品を巡る集団訴訟で勝訴した。10月28日付のロイター通信によると、米シカゴの連邦地裁のマニシュ・シャー判事は、表示に問題はないと判断し、原告の訴えを棄却した。
この訴訟は、モンデリーズが販売する「クリフ・キッドZバー」と「Zバー・プロテイン」製品のパッケージに「気候中立認証」と記載されていたことが消費者を誤認させ、過剰な価格を支払わせたとするものであった。
しかしシャー判事は、これらの表示は非営利団体「チェンジ・クライメート・プロジェクト(Change Climate Project)」による正式な認証を反映しており、消費者を欺くものではないと判断した。同団体は企業の温室効果ガス排出削減を支援し、残余排出分をカーボンクレジットによって相殺する仕組みを運営している。
今回の判断は、米国で相次ぐ「グリーンウォッシング(環境配慮の誇張表示)」をめぐる訴訟に一石を投じる。環境ラベルやカーボンオフセットの信頼性が問われる中、裁判所が認証制度そのものの正当性を認めた点は、企業のカーボンニュートラル表示戦略に影響を与える可能性がある。
一方、環境団体の一部は、排出削減をオフセットで補う方式そのものが実質的な脱炭素にはつながらないと批判しており、今後も議論が続く見通しだ。