米国初、サステナビリティ特化の証券取引所「GIX」をSECが承認

村山 大翔

村山 大翔

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SECが承認、環境重視の企業と投資家をつなぐ新市場が2026年始動予定

2025年4月17日、米証券取引委員会(SEC)は、環境・持続可能性に特化した米国初の証券取引所「Green Impact Exchange(GIX)」の設立を正式に承認した。2026年初頭の取引開始を目指し、GIXは環境配慮型ビジネスとESG投資家を直接結びつける新たな市場として注目されている。

GIXとは?上場条件は“持続可能性の証明”

GIXは、NYSE(ニューヨーク証券取引所)の元幹部2名が2022年に創設したスタートアップ。上場には、以下の厳格な環境・ガバナンス基準を満たす必要がある。

  • 長期的なサステナビリティへの明確なコミットメント
  • 短中長期の具体的な環境行動計画
  • 持続可能性報告フレームワークに基づく情報開示
  • ステークホルダーとの対話と進捗報告

従来型の証券取引所とは異なり、GIXでは「財務+環境パフォーマンス」の両面評価が行われ、単なるESG銘柄選別を超えた上場企業の信頼性強化を図る。

ESG逆風の中でも気候テック投資は好調

近年、ESGファンドからの資金流出が目立つ一方で、気候テックスタートアップへのベンチャー投資は前年比65%増の50億ドル超に達し、依然として高水準。GIXはこの潮流に乗り、「本物のサステナブル企業だけを集める上場プラットフォーム」として市場の信頼獲得を狙う。

「気候リスクはビジネスリスク」GIX創設者の言葉に込めた想い

共同創設者であるチャールズ・ドラン氏は、「気候リスクはビジネスリスクそのもの」と明言。上場企業に対し、「脱炭素、再エネ導入、廃棄物削減など、実行力ある企業が将来の勝者になる」と強調する。

GIXは今後、FINRA(米金融業規制機構)との調整を進めつつ、サステナビリティを基軸に企業価値を測る新しい市場原理の実装を目指す。

参照:https://www.tradegix.com/news/sec-approves-gix-exchange-application