15年で675万トンのCO2を恒久除去、ルイジアナに約8億ドルの投資も
マイクロソフトは、米エネルギーインフラ企業Fidelis傘下のAtmosClear社と恒久的なCDRに関する世界最大規模の契約を締結した。本契約により、AtmosClearは今後15年間で675万トンのCO2をBECCS技術を用いて除去する。
BECCSを活用した「恒久的CDR」の新モデル
AtmosClearが建設を計画する新施設は、ルイジアナ州のグレーター・バトンルージュ港に設置され、年間68万トンのバイオ由来CO2を回収可能な能力を持つ。このCO2は地下に恒久貯留されるか、低炭素天然ガスや合成燃料の原料として再利用される予定だ。
施設では、サトウキビの搾りかすや森林管理による剪定材などの持続可能なバイオマスを燃料源とすることで、再生可能エネルギーも同時に生成する。
地域経済にも波及、雇用創出と森林再生を促進
Fidelisによると、本プロジェクトは総額8億ドル以上の投資をルイジアナにもたらし、600件の建設雇用と75件の恒常的な雇用を創出する見込み。また、過去の製材所閉鎖で衰退していた地域の林業再建にもつながるとされる。
施設の建設は2026年に開始され、商業運転は2029年に予定されている。
マイクロソフトの脱炭素戦略における重要な一歩
本契約について、マイクロソフトのエネルギー&カーボンリムーバル担当ディレクターであるブライアン・マーズ氏は、「Fidelisのような実績ある開発者による高品質で耐久性のあるCDRソリューションが、2030年までのカーボンネガティブ達成に不可欠」とコメントしている。
また、Fidelis CEOのダニエル・J・シャピロ氏は、「この契約は、高品質なエンジニアドCDR市場における転換点となる」と述べ、地域経済と気候変動対策の両立を目指すモデル事業であることを強調した。

