バイオマス由来の排出源に着目、CDR拡大を加速
マイクロソフトは14日、カーボンリムーバルを推進する米CO280社と提携し、370万トン分のカーボンリムーバル・クレジットを購入する契約を締結した。契約期間は12年間で、米国南部のパルプ・製紙工場における炭素回収プロジェクトを通じて達成される。
マイクロソフトは2030年までに「カーボンネガティブ企業」になることを目標としており、今回の大型契約はその達成に寄与するものだ。CO280による炭素回収は、既存インフラを活用したコスト効率の高いCDR手法として注目されている。
CO280のプロジェクトでは、製紙工程で発生するバイオジェニックCO2を、最新の炭素回収技術によって回収・分離し、地下に永久貯留する。協力企業にはSLB Capturiが名を連ね、アミン吸収による産業排出源からのCO2分離を担う。
この取り組みの特徴は、製紙工場の「回収ボイラー」から排出されるCO2のうち、約40%を回収対象とし、さらに化石燃料由来のCO2も含めて総排出量の約30%を捕捉する点にある。また、工場の75%以上が炭素貯留サイトから100マイル以内にあるという立地条件を活かし、パイプライン輸送による効率的な貯留を可能にしている。
米国のパルプ・製紙業界は年間約8,800万トンのバイオCO2を排出しており、同分野でのCCSは2050年までに6,300万トンのCO2削減に貢献し得るとされる。