「廃車リサイクルでカーボンクレジット創出」 セルカルボノが新たな方法論を公表

村山 大翔

村山 大翔

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7月9日、コロンビアのカーボンクレジット認証機関セルカルボノ(Cercarbono)は、アジア気候サミット2025で廃車(ELV)リサイクルによる新しいカーボンクレジット創出の方法論を発表した。鉄や非鉄金属、プラスチック、ガラスを廃車から分別・回収して再資源化する取り組みにより、今後10年間で最大約192億円(1億2,000万ドル)の資金を生み出す可能性がある。

この方法論は、メタ・マテリアルズ・サーキュラー・マーケッツ(Meta Materials Circular Markets)が開発し、セルカルボノの技術チームと第三者が検証した。廃車を計画的に解体・回収し、リサイクル素材を使うことでバージン素材の使用を減らし、排出削減につなげる。

発表にはメタ・マテリアルズのニティン・チトカラCEO、ヤショダン・ラムテケAVP、セルカルボノのアレックス・サエールCEO、カルロス・トルヒーリョ会長が登壇した。

セルカルボノは、新興国市場向けのカーボンクレジット認証で知られる機関であり、今回の手法により廃車スクラップ政策を進める各国の取り組みを後押しする考えだ。

ニティン・チトカラCEOは「廃車リサイクルを進めることで排出削減と資源循環を同時に達成できる。アジア市場の脱炭素を後押ししたい」と述べた。

この方法論を活用したプロジェクトは年内にもカーボンクレジット発行が始まる可能性があり、排出削減を進めたい自治体や企業の新たな選択肢となりそうだ。

参考:https://www.linkedin.com/posts/cercarbono_elv-carbonfinance-asiaclimatesummit-activity-7348694818098741248-_o6L