CO2除去の研究加速へ、CarbonPlanが論文共有のプラットフォーム「CDRXIV」をローンチ

村山 大翔

村山 大翔

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米非営利団体CarbonPlanは19日、CDR(炭素除去)分野の研究成果を集約・公開する新プラットフォーム「CDRXIV」を正式に公開した。同プラットフォームは、CDRに関する論文やデータを自由に投稿・閲覧できるオープンアクセス形式で提供される。背景には、2050年までに数十億トン規模のCDR達成に向けた研究の加速がある。

学術・非学術の垣根を越えた研究成果の集約

CDRXIVは、CDRに関する新たな研究成果を分野・機関を問わず受け入れる。生物学や物理学における「bioRxiv」「arXiv」にならい、論文が学術誌で正式に査読・出版される前に、速報的に成果を公開する仕組みを採用。企業や非営利団体による研究も対象に含まれ、学術界外の知見を可視化・共有する狙いがある。

投稿された研究成果は、内容が新規性・有用性を持ち、CDRXIVの目的に沿うことを確認する「軽微な審査」を経て、原則3日以内に公開可否が判断される。採択された論文にはDOI(デジタルオブジェクト識別子)が付与され、公開後も著者による修正・更新が可能。学術誌で有料配信された場合でも、CDRXIV上では無料で閲覧可能な状態が維持される。

CDRXIVは2024年12月にソフトローンチされ、正式公開時点で既に13件の論文が掲載されている。今後の成長は、研究コミュニティによる活用と支援に依存しており、運営側は「プレプリントやデータ共有を研究助成の条件とするなど、オープンサイエンスの促進に活用してほしい」と呼びかけている。

CDRの進展には、分野横断的な連携と迅速な知見共有が不可欠であり、CDRXIVはそのための新たなハブとなることを目指している。

参考:https://carbonplan.org/blog/cdrxiv-launch-announcement