BACXは3日、シンガポールの環境商品取引大手ACXと提携し、アルゼンチン初となるデジタルカーボン取引所の運営を開始した。ACXの技術を活用し、保険付き取引や信用格付け、トレーサビリティを備えた安全かつ透明な取引プラットフォームを提供する。
背景には、南米地域の自然資本を活用した質の高いカーボンクレジットの供給地としての潜在力がある。
デジタル基盤による高信頼の取引体制
BACXは、ACXの分散型台帳技術を基盤とし、グローバルな取引水準を満たすカーボンクレジット取引を国内企業に提供する。取引にはロックトンによる保険が付帯し、信用性と価格透明性が担保される。
南米市場への布石と国際展開
ACXは「世界最高のカーボン取引所」として2021年から2024年まで4年連続で表彰されており、今回の連携により、アルゼンチンを含む南米市場の活性化を狙う。BACXは、企業のESG推進支援とともに、プレミアムクレジットの輸出を見据えた「アルゼンチン・カーボン・ファンド」の創設にも意欲を示している。
民間主導の信頼性モデルで市場拡大へ
BACXの取引モデルは、リスク管理、価格決定の透明性、プロジェクトの質とスケーラビリティに重点を置いて構築された。アルゼンチン企業に対しては、取引だけでなく包括的なアドバイスを提供することで、円滑な脱炭素経営の実現を目指す。
グローバル市場と結びつく「新興の拠点」
ACXとBACXの提携は、アルゼンチンを質の高いカーボンクレジット供給国として位置付ける意義を持つ。今後、国際市場との接続を強化することで、南米全体のカーボン市場拡大にもつながると期待される。