南アフリカで電気自動車(EV)の普及を後押しするオランダ開発会社 Zerocaは17日、同国全土を対象にした「EVモビリティ・プログラム」をVerraのVCSに登録申請したと発表した。
同プログラムはバッテリーEVのみを対象に、二輪・三輪車から乗用車、ピックアップ、バンやミニバスタクシー、都市・都市間バス、さらに大型トラックまで六つの車両カテゴリーを網羅する。加えて充電インフラ整備も盛り込み、参加事業者を束ねる「グループド・プロジェクト」として実施する。
プロジェクト参加者が削減した温室効果ガス(GHG)は「検証済排出削減量(VCU)」として発行され、南アフリカの炭素税支払い義務を負う企業がカーボンオフセットに活用できる。国内の炭素税制度では年間約1,000万トン分のカーボンオフセット需要が見込まれ、Zerocaは「EVシフト支援とクレジット創出を両立できる」と強調する。
南アフリカ運輸省は「公共輸送の電化は交通排出の約10%削減につながる」と支持を表明し、Verraのアフリカ統括、エイミー・ナカジマ氏は「大規模な交通案件登録は域内で初。市場整備の起爆剤になる」と述べた。
経緯と今後
- 2025年1〜3月:妥当性評価(VVB)開始予定。
- 2025年7〜9月:VCS公式登録、初期クレジット発行見通し。
- 2030年末までに参加車両2万台、累計削減500万t-CO2を目標。
南アフリカは再生エネ比率が35%に満たず、電力由来排出が依然高い。EV普及と同時にグリーン電源の拡大が不可欠との指摘がある。隣国ナイジェリアでは24年に同様のEVクレジット枠組みが立ち上がり、域内競争も激しさを増す。
Zerocaは今後12月までに参加事業者を公募し、25年後半の登録完了をめざす。第一次クレジット発行は26年初頭が想定され、炭素税期日に合わせた需要取り込みが焦点となる。
参考:https://www.linkedin.com/posts/zeroca_activity-7339026686891429888-Gzn8