国連、カーボンクレジット創出における先住民権利の保護を求める

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国連特別報告者は、2023年のテーマ研究の一環として、グリーンファイナンスと先住民族の権利保護に焦点を当てた報告書を提出しました。この報告書では、炭素市場における新たな課題を掘り下げ、特に先住民族の土地権利の認識が不十分である問題を指摘しています。カーボンクレジット創出による、土地の不正取得や利益の不平等分配が進行し、新たな植民地主義の形が生まれる恐れがあると警告しています。

報告書は、国家や金融機関が、カーボンクレジットの創出・活用において、先住民族の土地権を認識し、堅牢なセーフガードと苦情処理メカニズムを採用することを推奨。また、気候関連の資金援助や公的開発援助が不足していることを強調し、先住民族によって主導されるイニシアティブに適切な資金が向けられるべきだと主張しています。

さらに、報告者は力関係の非対称性を解消し、先住民、特に女性が権利保持者として財政プロセスに参加することの重要性を強調しています。国家と金融機関に対し、プロジェクトの設計、資金提供、実施を通じて、人権デューデリジェンスを統合するよう要請しています。投資家には、先住民族の人権に関する国際基準に一致するように融資アプローチを適応させることが求められています。

この報告書は、グリーンファイナンスと先住民族の権利に関する課題に対処し、考慮と実施のための一連の推奨事項を提供しています。

IWGIA

The Indigenous World 2024: UN Special Rapporteur on the Rights of Indigenous Peoples