ピューロアース(Puro.earth)は9月8日、岩石を粉砕して大気中の二酸化炭素(CO2)を固定する、岩石強化風化(ERW)の方法論を改訂し、公募を始めた。最新の科学知見を取り入れ、測定の精度と透明性を高めることが目的である。
今回の改訂は、大学や産業界、非営利団体の専門家との3回のワークショップやインタビューを経てまとめられた。新ルールはピューロアースの一般規則とICVCMのコアカーボン原則(CCPs)に沿っており、より厳格で信頼できる基準となっている。
主な変更点は五つある。まず、CO2除去量を測定するために6つの手法を規定し、そのうち2つを組み合わせて「計測」と「検証」を同時に行うことを義務付けた。次に、土壌化学の詳細分析を含むサンプリング方法を明確にし、必ず対照区を設けて測定の精度を確保するよう求めた。
また、モデル計算は補助的に認めるが、必ず現地での測定を基盤とすることを明示した。さらに、CO2が失われる要因として、二次鉱物の形成、陽イオン吸着、植物吸収の減少、非炭酸酸による風化、河川や海洋への流出を挙げ、定量的に把握するよう指示した。不確実性については「割引率」を導入し、統計手法で数値を明確に示すことを求めている。
ピューロアースは「科学的に厳密でありながら実用的であることが重要だ」として、幅広い関係者からの意見を求めている。
強化風化は農地や森林に岩石粉を散布し、自然の風化反応を早めてCO2を固定する技術である。今回の改訂は、カーボンクレジット市場での信頼性確保に直結する動きとして注目される。
参考:https://puro.earth/our-blog/340-puro-earth-launches-public-consultation-for-enhanced-rock-weathering-methodology-update