東京都産業労働局は、都内の中小企業による小規模な二酸化炭素(CO2)排出削減活動をまとめ、カーボンクレジットを創出する支援事業のセミナーを3月4日に開催すると発表した。
この事業は、個別の企業では申請費用や手続きの負担が重いJ-クレジット制度において、複数の活動を束ねる「プログラム型プロジェクト」を活用することで、中小企業のクレジット市場参入を促すことを目的としている。
セミナーでは、制度を所管する経済産業省が概要を解説するほか、東京都の支援事業に採択された民間事業者4社が具体的なプロジェクト内容を公開する。Carbon EXやバイウィルなどの採択事業者は、省エネ設備の導入だけでなく、バイオ炭の農地施用による炭素除去(CDR)といった農業分野の取り組みについても、中小企業がどのように参画できるかを提示する。
具体的にクレジット化の対象となるのは、高効率ボイラーや空調設備、太陽光発電、LED照明の導入による排出削減活動である。加えて、フェイガーが推進する水稲栽培における中干し期間の延長によるメタン排出削減や、バイオ炭を用いた炭素貯留など、近年国際的にも注目されている炭素除去技術の活用が含まれていることが特徴だ。
東京都は、これらの活動を取りまとめる事業者に対し、成果連動型の協定金を提供することで支援を行う。これは「2050東京戦略」に掲げるGXの実現を支える基盤づくりの一環であり、都市部におけるカーボンクレジットの供給能力を高める狙いがある。
今回の東京都の取り組みは、カーボンクレジット市場において長年の課題だった「中小企業の取り残し」を、自治体が仲介役(アグリゲーター)を支援することで解決しようとする戦略的な動きだ。
特に注目すべきは、単なる省エネだけでなく「バイオ炭」や「メタン削減」といった、現在国際的なカーボンクレジット市場でも高単価で取引される傾向にある高品質なCDR項目が組み込まれている点だ。
中小企業にとって、こうした新しい環境価値が「売却可能な資産」に変わることは、脱炭素投資の回収を早める大きなインセンティブになる。
参考:https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2026/01/2026010817


