東京都が運営するオンライン取引所「東京都カーボンクレジットマーケット」で16日、初となるクレジット売買が成立した。LPガス大手の富士瓦斯(世田谷区)が、バイオディーゼル燃料(BDF)切り替えによるJ-クレジット114トン-CO2分を購入し、2025年3月〜2026年2月の自社ガス・電力使用分を相殺する計画だ。
東京都産業労働局によると、富士瓦斯が取得したクレジットは、修理工場に導入したBDF精製装置で廃食油を燃料転換し、同社トラックに使用した排出削減量が原資。BDFへの転換分をクレジット化し、マーケットに上場した案件である。
同社は2021年に「フジガス・カーボンニュートラルLPガス(FCN-LPG)」を販売開始しており、今回の取得分を同LPガスと本社工場の電力に充当。「災害対応で需要が伸びるLPガスを脱炭素化し、2050年カーボンニュートラル宣言に沿う」方針だ。
指標 | 数値 | 補足 |
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購入クレジット量 | 114 t-CO2 | J-クレジット |
関連プロジェクト | BDF転換 | 廃油150店舗分回収 |
オフセット対象期間 | 2025年3月〜2026年2月 | LPガス・電力使用 |
※取引額は非公表。
東京都は今夏にもシステムAPIを公開し、再販(二次流通)機能を本格化させる予定。次回の価格公示は7月上旬。市場価格が形成されれば、他の自治体による追随の動きが注視される。
参考:https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2025/06/2025061611