兼松株式会社は22日、森永乳業株式会社および株式会社TOWINGと共同で、ブラジルのダテーラ農園において高機能バイオ炭「宙炭(そらたん)」を活用した実証実験を開始した。2050年問題に直面するコーヒー産業の持続可能性確保と、サプライチェーン全体の温室効果ガス排出削減を目的としている。
実証実験では、TOWINGの土壌改良資材「宙炭」をダテーラ農園の育苗地に施用し、コーヒー豆の収穫量や品質、炭素貯留量、土壌の改善効果を評価する。農業の環境再生力を高め、より広範な展開を見据えた実験である。特に、「宙炭」は炭素固定・資源循環・土壌微生物の活性化という三つの側面からサステナビリティへの貢献が期待される。
この取り組みは、同農園と20年以上取引を続ける兼松が、森永乳業の「マウントレーニア」シリーズ向けに安定供給してきた背景を持つ。今後はこの枠組みを発展させ、カーボンインセットの仕組みにより、生産過程での温室効果ガス削減をサプライチェーン全体で取り込む構想だ。
同社は、環境負荷低減と気候変動対応を通じて、サプライチェーンパートナーとの連携強化を図り、持続可能な社会の実現を目指す方針である。
参考:https://www.kanematsu.co.jp/press/release/20250522_release