長野県塩尻市と森林カーボンクレジット事業を手掛けるステラーグリーンは9月4日、カーボンニュートラルの実現に向けた連携協定を締結した。市域の約75%を占める森林資源を活用し、カーボンクレジットの創出や地域資源の循環的利用を進めることで、持続可能な都市づくりを加速させる狙いだ。
協定は、脱炭素社会に向けた取り組み、森林カーボンクレジットの創出、地域資源の活用、第一次産業の持続可能化などを柱とする。塩尻市は2023年11月に「ゼロカーボンシティ」を宣言し、再生可能エネルギー導入や温室効果ガス削減策を推進してきたが、森林資源の活用を新たな柱に位置付けた格好だ。
塩尻市長の百瀬敬氏は「市有林のカーボンクレジット創出を通じ、環境と経済が調和した持続可能なまちづくりを進める」と述べた。ステラーグリーンの中村彰徳CEOは「当社にとって長野県で初の事例となる。塩尻市とともに地域資源の価値化を進めたい」と語った。
塩尻市は1997年に環境基本条例を制定し、2002年にはISO14001の認証を取得。独自の「塩尻環境スタンダード認証・登録制度」を導入し、市内事業者による環境改善を後押ししてきた。近年は気候変動に伴う災害リスクが増す中、森林活用によるカーボンオフセットが政策の重点に加わる。
今回の協定は、地方自治体が地域資源を活用したカーボンニュートラル政策を強化する動きの一例であり、今後は長野県全体での波及も注目される。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000085.000111802.html