大阪市がブルーカーボン23.3トンを公募 「大阪南港野鳥園」のJブルークレジット第2期分

村山 大翔

村山 大翔

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大阪市は12月24日、住之江区の大阪南港野鳥園における人工干潟整備で創出したブルーカーボンクレジット「Jブルークレジット」の第2期公募を開始した。

公募対象は発行総量の約半分にあたる23.3トンで、2026年1月30日まで申し込みを受け付ける。本事業はカーボンニュートラルポートの実現に向けた中核施策の一環であり、都市部における人工的な海洋生態系を活用した二酸化炭素(CO2)吸収源の価値化を目的としている。

今回の公募は、同園の人工干潟や湿地の環境保全活動が評価され、ジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE)から認証された46.7トンのクレジットのうち、残りの全量を放出するものだ。本年実施された第1期公募では、計23.4トンに対して5社から購入申し込みがあり、すでに譲渡が完了している。大阪市は、今回の第2期分についても大阪港の企業や団体を中心に広く購入を呼びかけ、地域の脱炭素化を加速させる方針だ。

対象となる「渡り鳥と人をつなぐ大阪南港野鳥園~人工干潟整備による環境保全~」プロジェクトは、1983年に開園した日本初の人工干潟を舞台としている。造成時には導水管の設置など、潮の満ち引きで干潟が維持されるよう高度な工学的工夫が施された。現在はNPO法人や市民、大学と連携した環境調査や清掃活動が継続されており、こうした長年にわたる人為的な維持管理がブルーカーボンとしての吸収能力を支えている。

大阪市は、自身で削減しきれない排出量をクレジット購入で埋め合わせるカーボン・オフセットへの活用を推奨している。同市担当者は、引き続き港湾関連企業とともに、ブルーカーボンを軸とした大阪港のCNP実現に向けた取り組みを推進していくと述べた。

本件は、単なる自然保護の枠組みを超え、都市インフラとしての「人工干潟」が経済的な価値を生むカーボンクレジットの供給源となり得ることを示した重要な事例である。

特に、1980年代から続く公共事業としての環境整備が、数十年を経て「ブルーカーボン」という最新の気候変動対策資産に変換された点は、地方自治体にとっての新たな先行モデルとなるだろう。

企業側にとっても、大阪南港という地域に根ざしたプロジェクトのクレジットを購入することは、単なる排出量相殺にとどまらず、生物多様性保全への寄与という文脈でサステナブル投資のストーリーを作りやすい利点がある。

今後は、このような「都市型・人工型」のCDRプロジェクトが、国内のクレジット市場で存在感を高めていくことが予想される。

参考:https://www.city.osaka.lg.jp/port/page/0000668951.html