“さけの森林”を守るJ-クレジットの販売開始 新潟県村上市が森林と鮭文化をつなぐ脱炭素の新たな挑戦 

村山 大翔

村山 大翔

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新潟県村上市は5月1日、森林整備により創出した「村上市豊かな“さけの森林”づくりクレジット」の販売を開始した。J-クレジット制度を活用し、脱炭素の実現と地域資源の保全を同時に進める取り組みである。背景には、鮭の生息環境を支える森林保全とゼロカーボンシティへの転換がある。

「さけのまち」として知られる村上市は、鮭が回帰する川の上流域に広がるブナの原生林を「さけの森林(もり)」と名づけ、長年にわたり保全活動を続けてきた。今回、その森林整備によって得られた温室効果ガス吸収量をJ-クレジットとして認証し、企業や団体向けに1トンあたり11,000円で販売する。

このクレジットは、製造業や建設業の排出オフセット、環境配慮型イベントの実施、あるいは寄付による社会貢献の手段として活用可能だ。購入者には村上市から「オフセット証明書」が発行され、PRにもつながる点が特長である。

販売収益は、再び森林整備や脱炭素化推進に投資され、地域循環型の環境経営モデルを形成する。企業は環境価値の可視化と地域貢献の両立が可能となり、サステナビリティ戦略の強化にもつながるだろう。

参照:https://www.city.murakami.lg.jp/site/eco/j-credit.html