株式会社宮崎銀行、株式会社Withみやざき、NTT西日本宮崎支店は8月19日、宮崎県内で再造林活動を活用したカーボンクレジット創出・販売事業の実証実験を開始すると発表した。地方銀行が主体となり再造林を通じてJ-クレジットを創出する取り組みは全国初とされ、森林保全と地域経済の両立を目指す。
今回の実証実験は、2023年に3者が結んだ包括連携協定の一環で、宮崎県が掲げる「再造林率日本一」プロジェクトにも貢献する位置付けだ。期間は2年間で、西都市の伐採跡地20ヘクタールを対象に再造林を行い、森林経営を通じてJ-クレジット制度への登録を目指す。
役割分担として、宮崎銀行が事業企画と統括を担い、Withみやざきが森林所有者からの経営受託や再造林費用の負担を行う。NTT西日本宮崎支店は、森林管理をデジタル化する「森林CRM」を提供し、プロジェクト登録の伴走支援を行う。
宮崎銀行の杉田浩二頭取は「地銀として地域の森林資源を活用し、カーボンニュートラルに資する新たな価値を生み出したい」と述べた。Withみやざきの長友正人社長も「再造林を通じて持続的な森林経営を確立し、地域社会の発展に貢献する」と強調した。
再造林によるカーボンクレジットは、企業の排出削減義務を補完する手段として需要が高まっている。宮崎県は全国有数の林業県だが、伐採後の再造林率が低く、森林資源の持続性が課題とされてきた。今回の実証が成功すれば、地方発のカーボンビジネスモデルとして全国展開される可能性もある。
実証結果の検証は2027年までに行われる予定で、早ければその後、商用化に向けた具体的なクレジット販売が始まる見通しだ。
参考:https://www.miyagin.co.jp/cms-hjeg2ccyg8jy/wp-content/uploads/2025/08/20250819.pdf