カーボンクレジットデベロッパーのJizokuは、インドネシアのボゴール大学(Institut Pertanian Bogor、以下IPB)およびパジャジャラン大学(Universitas Padjadjaran、以下UNPAD)と共同で、稲作集約栽培法(System of Rice Intensification=SRI)を活用した低排出稲作によるカーボンクレジット創出に向けた実証を開始した。初期プロジェクトは、西ジャワ州において2025年8月から進行中である。
この取り組みでは、圃場試験によるSRIの適用性や排出削減効果の検証を進めるとともに、農家への研修や技術支援を実施する。また、将来的なクレジット発行を見据え、測定・報告・検証(MRV)体制の共同構築にも着手した。Jizokuは、国際的な認証スキームに整合するスケーラブルなモデルの確立を目指している。
SRIは、植栽密度や灌漑の間断化、土壌環境・施肥管理の最適化により、水使用量とメタン排出を削減しながら収量を向上させる稲作手法である。農業部門における温室効果ガス削減策として注目されており、特にアジア諸国でのクレジット創出の新たな基盤となりつつある。
インドネシアは世界有数の稲作国であり、同国の持続可能な農業への移行は経済・環境両面で喫緊の課題とされる。今回の連携は、Jizokuが持つカーボンクレジット開発のノウハウと、IPB・UNPADの農学的知見を組み合わせることで、現地データの蓄積と国際的に通用する炭素削減手法の確立を図るものだ。
Jizokuの片岡代表は「SRIは水資源の節約に寄与するだけでなく、収量の向上にも資する強力なアプローチです。本パイロットプロジェクトを通じて、食料生産能力の向上と温室効果ガス排出の削減の双方を実現し、持続可能な農業の発展に貢献してまいります」と述べた。
本実証の成果は、今後のインドネシア国内および東南アジア地域での農業分野におけるカーボンクレジット創出モデルとしての展開が期待される。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000147505.html
