北海道庁がJ-クレジット創出を大幅拡大 道有林11地区で「空からの測量」導入し連携企業を公募

村山 大翔

村山 大翔

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北海道庁は2026年2月16日、道有林におけるJ-クレジット創出地区の拡大に向け、事業パートナーとなる連携企業の選定に係る競争入札を実施すると発表した。

渡島東部管理区を含む計11地区を対象とし、最新の航空レーザ測量を活用して森林の炭素吸収量を高精度に算定する。本事業により、国内最大級の供給力を誇る北海道産森林クレジットの信頼性と供給量がさらに強化される見通しだ。

今回の公募は「道有林キキタ・グリーンクレジット」事業の一環として行われる。

特筆すべきは、航空レーザ測量(ALS)を全面的に活用する点だ。従来の地上調査に比べ、広大な森林の樹高や密度をセンチメートル単位の精度で把握できるため、J-クレジットの信頼性を担保する強力なエビデンスとなる。入札への参加資格審査申請は、2026年2月16日から3月9日まで受け付ける。その後、3月23日に北海道庁本庁舎にて開札が行われ、3月末までに契約を締結する予定だ。

北海道は全国の森林面積の約4分の1を占め、日本のカーボンニュートラル実現に向けた炭素除去(CDR)の要衝となっている。特に道有林は、適切な間伐や植林管理が行われており、創出されるカーボンクレジットは地域経済への還元と生物多様性保全を両立する高品質クレジットとして、サステナブル投資を重視する大手企業からの関心が高い。

一方で、広大な森林の維持管理コストや、気象災害による未達リスクの管理が課題となる。

北海道造林協会は「北海道における森林由来クレジット創出実務問答集」を整備するなど、透明性の高い運用を目指しており、民間企業の技術力と資金力を取り入れることで、これらのリスクを分散し、持続可能なカーボンクレジット供給体制の構築を急ぐ考えだ。

北海道によるこの大規模な公募は、単なる面積の拡大ではなく、航空レーザ測量という「デジタル技術による信頼性の担保」を標準化しようとする動きである。

カーボンクレジット調達を検討している企業にとっては、自治体が主導する信頼性の高い大型案件に関与する絶好の機会であり、カーボンクレジットデベロッパーにとっても、北海道モデルでの実績は、今後の全国展開に向けた強力なポートフォリオになる。

参考:https://www.pref.hokkaido.lg.jp/sr/dyr/248119.html