フィリピンでJCM水田プロジェクト開始 10年間に100万トン規模のカーボンクレジット創出を目指す

村山 大翔

村山 大翔

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Green Carbon、フィリピンでJCM水田プロジェクトを開始

フィリピン レイテ州で10年間に約100万トンのカーボンクレジット創出を目指す

Green Carbon株式会社は2025年5月、フィリピン・レイテ州と水田由来のカーボンクレジット創出に関する覚書(MoU)を締結した。JCM(二国間クレジット制度)に基づき、水田の水管理手法を変えることで、10年間に約100万トンのクレジット創出を目指す。

本プロジェクトでは、間断灌漑(AWD)を導入し、水田から排出されるメタンガスの削減を図る。2025年6月から1,000ヘクタールでの本格実施を予定しており、今後3年以内にレイテ州全体の約4万ヘクタールへと拡大される。気候条件に恵まれた同州では年間350トンの米が生産されており、農業と環境負荷の両立を目指すモデルケースとして注目される。

プロジェクトは現地のビサヤス州立大学と連携し、温室効果ガス(GHG)排出量の測定と効果検証を行いながら推進される。フィリピン政府の温室効果ガス削減戦略にも位置づけられ、農家の収益向上と持続可能な農業実践を両立する。

背景には、フィリピンの水田から年間約1,300万トンの温室効果ガスが排出されている現状がある。Green Carbonは、JCM方法論の世界初承認を受け、2023年度からプロジェクト開発に着手。今後は同様の取り組みをフィリピン国内16州に展開し、2030年までに100万ヘクタール規模での展開を計画している。

日本国内でも、JCMクレジットはGX-ETSでの活用が可能となり、今後の需要拡大が見込まれている。Green Carbonは、クレジットの創出から販売までを支援するプラットフォーム「Agreen」も展開しており、日本とフィリピンの脱炭素化の両立を目指すとともに、東南アジア諸国への展開も視野に入れている。

参照:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000163.000117956.html