ENEOSと住友商事、英CO2除去スタートアップの44.01と提携 中東でCO2鉱物化の2030年実証へ

村山 大翔

村山 大翔

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エネオス・エクスプローラ(ENEOS Xplora)は2025年12月22日、住友商事および英国の炭素除去(CDR)スタートアップであるフォーティーフォー・ポイント・オーワン(44.01)と、CO2鉱物化技術の社会実装に向けた覚書を締結したと発表した。

3社は2030年までにかんらん岩が豊富な中東地域での実証試験実施を目指し、従来の砂岩を対象とした炭素回収・貯留(CCS)を補完する新たなCDRの選択肢を確立する。

CO2鉱物化は、回収した二酸化炭素(CO2)を岩石や水と反応させ、地中で安定した鉱物として半永久的に固定する技術である。

一般的なCCSが砂岩層への圧入を主とするのに対し、本技術は国内や中東に広く分布する火成岩(かんらん岩など)を貯留先とする。これにより、貯留可能な適地の選択肢が大幅に広がり、世界的な炭素貯留容量の底上げが期待されている。

今回の提携において、エネオス・エクスプローラはこれまでエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と進めてきた共同研究の知見を投入する。

同社は既に米国ワイオミング大学や九州電力、カーボンフロンティア機構(JCOAL)とも連携しており、国内外で技術評価を加速させている。英国の44.01は、かんらん岩を利用した鉱物化に最適な圧入条件を保有しており、住友商事による資本業務提携を通じて今回の枠組みに加わった。

エネオス・エクスプローラは2024年以降、国内外の先進的な研究機関や自治体との連携を矢継ぎ早に打ち出している。今回の提携により、同社はCO2鉱物化技術の進化を牽引し、日本および世界のカーボンニュートラル実現に向けた実効性のあるプロジェクトを推進する構えだ。今後は中東での実証に向けた具体的な地点選定や法的枠組みの整備が焦点となる。

今回のエネオス・エクスプローラによる提携は、単なる技術実証の枠を超え、将来的な「高品質なCDRクレジット」の確保を見据えた戦略的な布石と言える。

44.01はビル・ゲイツ氏率いるファンド等からも出資を受ける世界屈指のCDR企業であり、中東の豊富なかんらん岩資源を活用する同社のモデルは、永続性の高いCDRクレジットとして市場価値が非常に高い。

日本のエネルギー大手であるENEOSグループが、住友商事の投資ネットワークを介してこの最先端エコシステムに深く食い込んだ意義は大きい。

今後は、2030年の実証開始までに、どのようにしてコストを低減し、国際的なクレジット認証基準を確立できるかが、ビジネスとしての成否を分ける鍵となるだろう。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000048.000126739.html