バイウィル、シリーズB最終クローズで累計30億円調達 全国で「環境価値の事業化」加速へ

村山 大翔

村山 大翔

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バイウィルは10月15日、シリーズBラウンドの最終クローズを完了し、第三者割当増資および金融機関からの借入枠確保により総額18.6億円を調達したと発表した。これにより累計資金調達額は30億円に到達した。脱炭素事業の新市場形成を目指す同社に、金融・事業会社4社が新たに出資した。

バイウィルは全国47都道府県でのカーボンニュートラル実現を掲げ、企業や自治体の脱炭素活動をJ-クレジット制度などを通じて「経済的価値」に変換する支援を行っている。これまでに創出支援契約数を着実に拡大し、環境価値を「事業成長の武器」に変える仕組みづくりを進めてきた。

今回の資金調達では、三井住友海上キャピタル、常陽キャピタルパートナーズ、YMFGキャピタル、しぎんキャピタルパートナーズが新たに参画。各地域金融機関との協業を通じ、地域資源を活かした脱炭素支援のネットワークが全国に広がる形となった。

同社は、企業や自治体の活動に内在する環境価値を「見える化」し、カーボンクレジット化とブランディングの両面で支援することで、脱炭素への取り組みをコストではなく投資へ転換することを目指している。下村社長は「GXを『やるべきこと』から『やりたくなること』へ変える」と述べ、環境価値の地産地消と地域経済の好循環を強調した。

バイウィルによると、今回の資金は環境価値創出支援サービスの生産性向上、創出領域の拡張、人材採用強化に充当する予定。背景には、2026年度から稼働予定のGX-ETS第2フェーズや、COP29での国連支援炭素市場基準の承認など、国内外でのカーボンクレジット市場拡大がある。

投資家からは「多様なJ-クレジット創出手法を活用し、カーボンニュートラル実現を後押しする」(三井住友海上キャピタル)、「地域社会に新たな価値をもたらすビジネスモデル」(常陽キャピタルパートナーズ)といった評価が寄せられた。

森林資源を活かした地域創生型の炭素クレジットや、企業ブランディングと結びついた新たな環境価値の流通が今後進むかが焦点となる。バイウィルは今回の調達を機に、全国の地域金融機関や自治体との連携を一層強化し、脱炭素経済圏の拡大を図る構えだ。

参考:https-prtimes-jp-main-html-rd-p-000000344-000013100-html