愛知県が森林カーボンクレジット普及セミナー開催 林野庁・民間企業が事例紹介

村山 大翔

村山 大翔

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愛知県は2026年3月5日、森林由来のJ-クレジット活用を促進するセミナーをウインクあいちで開催する。

林野庁の藤田裕史課長補佐、Permanent Planetの池田陸郎代表取締役、愛三工業の山家吉智執行幹部が登壇し、森林カーボンクレジットの創出から企業活用まで最新動向を解説する。

愛知県は、適切な森林管理によるCO2吸収量を認証するJ-クレジット制度のうち、森林由来のカーボンクレジットにフォーカスし、カーボンニュートラル実現に向けた地域戦略の柱に位置づけている。

今回のセミナーは、この森林カーボンクレジットの理解と活用を促進するため、制度運用を担う林野庁、カーボンクレジット創出支援を手掛ける民間企業、実際に購入・活用する地元製造業という三者の視点から、実践的な知見を共有する場となる。

セミナーでは3つのセッションが予定されている。

林野庁森林利用課の藤田課長補佐が「森林由来J-クレジットの創出・活用について」と題し、制度の最新動向と国の支援策を解説。続いてPermanent Planetの池田代表が「森づくりと企業・市民をつなぐJ-クレジット活用の可能性」として、カーボンクレジット創出プロジェクトの組成から販売までのプロセスを紹介する。最後に、自動車部品大手の愛三工業から山家執行幹部が「温室効果ガス削減に向けたカーボンクレジット活用」と題し、製造業における実際の購入・活用事例を報告する予定だ。

愛知県は「矢作川・豊川CNプロジェクト」の一環として、県有林でのカーボンクレジット創出・販売に既に着手している。

J-クレジット制度は、省エネルギー設備導入や再生可能エネルギー利用によるCO2排出削減量、森林管理によるCO2吸収量を国が認証し、企業間で売買可能にする仕組み。森林クレジットは、日本の国土の約7割を占める森林資源を活用した吸収源対策として注目されており、林業振興と気候変動対策を両立させる手段として期待が高まっている。

国内のカーボンクレジット市場では、再エネ由来のクレジットが主流だが、森林由来は「地域貢献」や「生物多様性保全」といった付加価値を訴求しやすく、企業のサステナビリティ戦略において差別化要素となりうる。

一方で、森林クレジットの創出には長期的な森林管理計画の策定、モニタリング体制の構築、認証取得のための専門知識が必要とされ、小規模森林所有者や自治体にとってはハードルが高いのが実情だ。

今回のセミナーでは、こうした実務上の課題解決に向けた具体的なノウハウが共有されることが期待される。

自治体主導による森林カーボンクレジット市場の整備は、地域の中小林業事業者や製造業にとって新たな収益源・調達先となる可能性を秘めている。特に、Scope3削減圧力が高まる製造業サプライヤーにとって、地元の森林クレジットは「調達の可視化」と「地域貢献PR」を同時に実現できる戦略的選択肢だ。

林野庁と民間実務家の知見を一度に得られる機会として、中小企業の参加価値は高い。

参考:https://www.pref.aichi.jp/press-release/jcredit-seminar.html