「満期元本でカーボンオフセット」あいち銀行が導入 法人向けJ-クレジット定期預金

村山 大翔

村山 大翔

「「満期元本でカーボンオフセット」あいち銀行が導入 法人向けJ-クレジット定期預金」のアイキャッチ画像

あいち銀行は2026年2月2日、預入期間満了時の元本に応じてJ-クレジットを付与しカーボンオフセットを実施する法人向け商品「あいぎんJ-クレジット定期預金」の取り扱いを開始した。中部地方に本店を置く金融機関としては初めての試みで、地元東海エリアの森林由来クレジットを活用することで地域の脱炭素化と森林保全の両立を目指す。

本商品は法人顧客を対象としており、募集総額は100億円に設定されている。

預入金額は5,000万円から10億円(5,000万円単位)で、1年間の預入期間を経て満期を迎えた際、元本5,000万円ごとに5t-CO2分のカーボンオフセットが付与される仕組みだ。適用される金利は通常の店頭表示金利(期間1年)が維持されるため、顧客企業は追加の金利負担や追加コストを支払うことなく、既存の資産運用を通じて脱炭素経営に取り組むことが可能となる。

使用されるJ-クレジットは、東海エリアにおける間伐などの適切な森林管理によって創出された「森林由来クレジット」に限定されている。顧客には無効化通知書が発行され、自社が排出した温室効果ガスの埋め合わせとして対外的に公表するなど、PR効果も期待できる。

背景には、地域企業の脱炭素化への取組みを加速させると同時に、地元森林資源の循環を支援する狙いがある。森林の適切な管理を継続するには経済的な負担が伴うが、本商品を通じたクレジット購入により、地元の森林事業者へ資金が還元され、さらなる整備を促すことにつながる。

同行は今後も、顧客や社会のニーズに合致した商品提供を通じて持続可能な社会の実現に寄与する方針だ。

地域金融機関が「預金」という最も身近な金融商品にカーボンオフセット機能を付帯させた点は、中小企業の脱炭素化における心理的・コスト的ハードルを下げる画期的な施策といえる。

特にクレジットの調達先を「東海エリア」に限定したことは、地域経済の循環を重視する地銀ならではの戦略であり、企業のサステナビリテティレポートにおける「地域貢献」の文脈も補強しやすい。

今後は、オフセットされたCO2量の可視化だけでなく、それが具体的にどの地域の森林整備に役立ったかというストーリー性を付与し、顧客企業のブランド価値向上へ繋げられるかが鍵となるだろう。

参考:https://www.aichibank.co.jp/news/files/pdf/news20260202_02.pdf