七十七銀行は8月22日、法人向けの新商品「77J-クレジット預金」を9月1日から取扱開始すると発表した。満期時に通常の利息に加え、森林整備による温室効果ガス吸収量を証明する「J-クレジット」を付与する仕組みで、企業はCO2排出のカーボン・オフセットを実現できる。同行は東北地域の森林保全を支援するとともに、企業の環境価値向上やSDGs推進に寄与する狙いだ。
この預金は、1法人あたり5,000万円以上10億円以内を1年間預け入れる定期預金で、満期時に元本5,000万円ごとに5トン分のCO2オフセットが付与される。募集総額は100億円、期間は2025年9月1日から同月30日まで。預金は自動継続型とし、他の金融機関からの預け替えには金利0.05%を上乗せする。なお、途中解約の場合はJ-クレジットは付与されない。
七十七銀行は、J-クレジットの調達・管理を「J-クレジット・プロバイダー」として豊富な実績を持つイトーキに委託する。イトーキは2011年からカーボン・オフセット事業に参入し、企業や自治体向けに幅広いクレジット提供サービスを展開している。
同行は「本預金を通じて、森林の適切な管理を支援し、地域の脱炭素化と企業の環境価値向上の双方に貢献していきたい」と説明している。森林由来のクレジットは間伐などの管理活動によるCO2吸収を国が認証する仕組みで、安定的な森林経営を後押しする効果も期待される。
企業にとっては、ESG評価や取引先へのPR、環境報告の強化に直結するメリットがあるほか、CO2排出量の削減努力を補完する実効的な手段となる。
参考:https://www.77bank.co.jp/pdf/newsrelease/2025/25082201_77j.pdf