米国拠点のカーボンクレジット認証機関Verraは8月27日、パラグアイ環境・持続可能開発省(MADES)と覚書(MOU)を締結した。両者はカーボンプロジェクトの開発を促進し、国際市場での取引を可能にするための能力構築と知識共有を進める。これにより、同国のパリ協定に基づく国別目標(NDC)達成と資金調達の強化が期待される。
覚書に基づく取り組みは、現地プロジェクト開発者や検証機関、政府関係者、投資家を対象に、講座やワークショップ、専門セミナーを実施するものだ。具体的には、Verraの主要制度である「認証カーボン基準(VCS)」プログラムの認証プロセスやレジストリの活用方法、農地管理や森林保全など自然を基盤としたアプローチの方法論が扱われる。
さらに、パリ協定第6条に関連するテーマも含まれる。第6条ラベル付きクレジットの情報や、Verraが開発を進める「第6.2条対応のクレジット認証プロトコル」が解説される予定だ。このプロトコルは、各国がクレジットを活用してNDCや持続可能な開発目標を達成することを支援する。
パラグアイは豊富な森林資源を有し、農業と林業が主要産業である。森林減少の抑制や土地利用転換の管理は、同国におけるカーボンクレジット創出の重要課題とされる。今回の協力は、国際的なボランタリーカーボンクレジット市場(VCM)への参入を加速させ、外部資金の流入を通じた国内環境保全に直結する。
今後、両者は研修や制度整備を進め、早ければ2026年にもパラグアイ発の国際クレジットが市場に登場する可能性がある。