カーボンクレジット認証団体Verraは13日、ICVCMが、同社の「バイオ炭利用」(VM0044 v1.2)と「森林管理改善」(VM0045 v1.2)の2つの方法論を承認したと発表した。両手法は、ICVCMが定める国際基準「コア・カーボン原則(CCPs)」に適合し、科学的な厳密さと環境保全の面で最高レベルと評価された。
バイオ炭利用手法(VM0044)は、廃バイオマスを炭素が安定した形のバイオ炭に変換し、土壌や耐久性の高い製品に利用することで、長期間(二百年以上)にわたって炭素を固定する。環境への影響を抑えながら、廃棄物削減と炭素隔離を同時に実現するのが特徴だ。
森林管理改善手法(VM0045)は、従来の固定的な予測モデルではなく、最新の森林調査データを使って基準線(比較対象)を常に更新。森林の状態変化に合わせて精度の高い炭素吸収量の計算を可能にする。
ヴェラのマンディ・ランバロスCEOは、「今回の承認は、自然を活用した気候変動対策にとって大きな前進だ。バイオ炭や森林管理は、排出削減と地域・生態系への利益を同時にもたらす高品質な解決策だ」と述べた。
ICVCMはこれまでにも、植林(VM0047)、森林減損防止(VM0048)、燃料転換型調理器具(VM0050)などのVCS手法や、廃棄物ガス利用、メタン回収、ガス漏れ検知といったCDM手法を承認している。
今回の認定により、バイオ炭や森林管理のクレジットは国際的な信頼性が高まり、日本企業の自主的な排出削減や除去の取り組みでも活用が進むと見られる。今後、CCPラベル付きクレジットは世界市場での取引がしやすくなり、価格も安定する可能性がある。