英国North Sea Transition Authority(NSTA)は5月、2050年ネットゼロ達成に向けた取り組みの一環として、北海における新たなCO2貯留候補地を企業からの推薦を求める公募を開始した。
これは、Northern Endurance Partnershipへの炭素貯留ライセンス付与や、イタリアEni社のLiverpool Bay CCSプロジェクトへの許可発行を受けた動きである。
技術評価済み企業による提案を促進、実行フェーズの加速へ
今回の募集では、空間データおよび簡易なプロジェクト概要の提出が求められる。これにより、NSTAはCrown Estate ScotlandおよびThe Crown Estateと連携し、洋上風力や潮流発電など他の海洋利用との競合状況を評価、今後のライセンス発行・海底リースの効率化を図る。
英国大陸棚(UKCS)には、枯渇油田や塩水帯域を中心に780億トンのCO2貯留容量があると推定されており、産業界からのタイムリーな提案が重要とされる。
NSTAのスチュアート・ペイン長官は「業界の勢いは増しており、行動の加速が鍵だ」と述べた。
政府は約3.9兆円をCCSに投入、国際的リーダーシップ構築を狙う
今回の公募は、英国政府が表明した25年間で約3.9兆円(217億ポンド)のCCS関連投資計画の一環であり、昨年実施された世界最大規模のCCSライセンスラウンド続く施策として位置づけられる。