カーボンクレジットの評価で世界をリードするSylveraは、マカオ国際炭素排出権取引所(MEX)と提携し、アジアのカーボンクレジット市場の透明性と信頼性を高める取り組みを始めた。
この提携により、Sylveraのカーボンクレジット評価データがMEXの取引システムに直接組み込まれる。これによって投資家や企業は、プロジェクトの「質」をリアルタイムで確認できるようになり、信頼性の高いカーボンクレジットを安心して取引できる環境が整う。
Sylveraの共同創業者アリスター・フューリーCEOは、「アジアの炭素市場は急成長しているが、それに見合う質のインフラがまだ足りない。この連携によって、効果のある気候プロジェクトにもっと資金が流れるようになる」とコメントした。
MEXの孟萌(モン・モン)総経理も「プロジェクトの信頼性と情報の透明性が確保されることで、アジアの炭素市場はさらに発展できる」と述べた。MEXは中国の炭素市場と海外投資家をつなぐ役割を担っており、今回の提携で東南アジア全体に質の高い炭素金融を広げる体制が強化される。
この取り組みによって期待される主な効果は以下のとおり。
- 信頼性の高い評価をその場で確認
- MEXの取引画面上に、シルベラの第三者評価データがリアルタイムで表示される。
- 質の高いプロジェクトが目立つ設計に
- 追加性や環境効果の高いプロジェクトが優先的に表示され、投資先として選ばれやすくなる。
- 地域市場の整備を後押し
- 評価と取引インフラの両面で基準を整え、アジア全体の市場に大口投資を呼び込む狙い。
とくに、炭素除去(CDR)プロジェクトや森林保全など、測定可能な効果を持つカーボンクレジットが評価されやすくなり、プロジェクト開発者には「見える化」されたメリットが生まれる。
MEXは2024年に開設され、中国とポルトガル語圏諸国を結ぶ中継点として、カーボンクレジットや再エネ証書の取引基盤を整えてきた。
シルベラとMEXは今後、アジアで信頼性の高い気候プロジェクトと国際的な投資家をつなぐ新しい仕組みを展開していく予定だ。