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英ブローカーと独Sefe取引部門、CORSIA 適格カンボジア浄水器カーボンクレジット 7万5,000トンのオンラインオークションを実施

2026.05.25 読了 約4分
英ブローカーと独Sefe取引部門、CORSIA 適格カンボジア浄水器カーボンクレジット 7万5,000トンのオンラインオークションを実施
出典:https://www.linkedin.com/posts/sefemt_corsia-carbonmarkets-sustainableaviation-activity-7463489250160975872-J44N/?utm_source=share&utm_medium=member_desktop&rcm=ACoAAF7l57MBNlJdSfO4qjKnKhL0vX-gwZc__fY

英国ブローカーの Emsurge と、欧州エネルギー取引大手 Sefe(Sefe Marketing & Trading)の取引部門は、2026年5月26日から29日にかけて、CORSIA 適格カーボンクレジット 7万5,000トンのオンラインオークションを実施する。対象はカンボジアの浄水器プロジェクト(VCS 3052、Cambodia Water Purifier Project)由来のクレジットで、カンボジア政府による LoA(Letter of Authorization、認可書)が付帯する。決済は相対取引(OTC)または Climate Impact X を通じて行われる。

本件は、2026年4月に同じ Emsurge プラットフォーム上で実施された CACE(クライメート・アクション・センター・オブ・エクセレンス、Climate Action Center of Excellence、カタールの GORD が設立)主催の CORSIA オークションに続く動きである。先行案件は SIPCO 開発の同種プロジェクト由来クレジットを対象とし、フロア価格14ドル(約2,170円)を上回って複数買い手に成約した。今回 Sefe Marketing & Trading が出品者として参入したことで、CORSIA 適格クレジットのオークション販売プレイヤーが拡大する構図となる。

CORSIA 第一フェーズの義務化が2027年に迫るなか、価格水準は緩やかな上昇局面にある。2024年末のガイアナ管轄 REDD+ 初回オークションは21.70ドル(約3,360円)で成立し、IATA 集計では2025年第1四半期が22.25ドル(約3,448円)、第3四半期が22.55ドル(約3,494円)と推移した。一方、ガイアナ案件では1,580万トンの供給に対し購入は40万トンと、需要は供給規模に対して限定的な水準にとどまっている。

ICAO は2025年10月、適格プログラムを8件に拡大するとともに、Verra の旧クックストーブ方法論2件を再認定した。この措置により、燃焼回避系(薪燃料代替)のプロジェクトが CORSIA 供給源として再び門戸を開かれた格好となっており、今回の浄水器プロジェクトはまさにその系統に位置する。

本件オークションの構造的な意味は二つに分かれる。一つは、2027年の本格義務化を見据えた航空会社の調達ルート拡大であり、相対取引中心だった CORSIA 市場における価格発見機能の強化である。もう一つは、燃焼回避系プロジェクトという品質論争の継続する領域での取引であり、フロア価格水準の下押し圧力である。Emsurge は2026年4月のオークションでフロア価格14ドルを設定したが、これはガイアナ JREDD+ 案件の成約価格21.70ドルの約3分の2にとどまる。

浄水器プロジェクトは、煮沸用薪燃料の代替による排出回避を方法論の根幹とする。追加性の立証、薪燃料消費量の MRV 精度、ベースラインの過大設定リスクは継続的な論点として残されてきた。一方で、ICAO による再認定とホスト国 LoA の付与は、CORSIA 制度設計上の品質要件を満たしたことを意味する。買い手は ICAO 認定の制度的整合性とプロジェクト固有の品質リスクを天秤にかけることになる。

本件は CORSIA 第一フェーズ義務化を1年半後に控えた市場における、調達ルート多様化の一事例として位置づけられる。CACE-Emsurge の枠組みに Sefe の取引部門が加わったことで、適格クレジットのオークション販売チャネルが拡張された。

ただし、フロア価格14ドルという水準はガイアナ JREDD+ 案件の成約価格に対して大きく下回り、CORSIA 適格クレジットの内部で方法論別の価格階層化が定着しつつあることを示唆する。除去系・自然由来 REDD+ と、回避系・浄水器プロジェクトとの間で、ICAO 適格という共通枠を超えた品質ベースの価格分化が進行している構図である。日系航空会社の調達戦略においても、ICAO 適格という最低要件と、品質階層に応じた価格・レピュテーション両面の選別を切り分けて評価する局面に入っている。

参考:https://www.linkedin.com/posts/sefemt_corsia-carbonmarkets-sustainableaviation-activity-7463489250160975872-J44N/?utm_source=share&utm_medium=member_desktop&rcm=ACoAAF7l57MBNlJdSfO4qjKnKhL0vX-gwZc__fY

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カーボンクレジット.jp 編集部
カーボンクレジット.jp編集部|2023年末に当時日本初かつ唯一のカーボンクレジット専門情報メディアを立ち上げ。高度な専門性とわかりやすさを追求した翻訳力。