ベナン共和国、VCMIと連携し高品質なカーボンクレジット市場構築へ

村山 大翔

村山 大翔

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2025年4月8日、ベナン政府と自主的カーボンクレジット市場の信頼性確保を推進する国際機関VCMIは、同国の気候戦略と資金調達力の強化を目的とするパートナーシップ締結を発表した。本連携は、持続可能な発展と気候目標(NDC)の達成を両立させる重要な一歩とされる。

ベナンは気候変動の影響を大きく受ける国のひとつであり、今世紀末にかけて極端気温のリスクが高まるとされている。同国は2030年までに約5,000万トンのCO₂削減可能性を有し、その多くは農業とエネルギー分野に集中している。NDCの実現には、今後10年間で100億ユーロの資金が必要とされている。

本協定により、ベナンのカーボン登録機関(Autorité d’Enregistrement des Projets Carbone)とVCMIは、自主的カーボン市場の信頼性向上、エネルギー安全保障、農業支援などを通じた資金動員を進める。また、SDGsとも整合する形で、国内のカーボンプロジェクトを拡充していく。

発表はロンドン証券取引所で開催された「西アフリカ地域証券取引所(BRVM)インベストメント・デイズ」にて行われ、ベナンはゲスト国として注目を集めた。VCMIと共にORI Partnersが政策的・制度的支援を提供し、意思決定支援ツールの開発も進められる予定である。

VCMIの政策・パートナーシップディレクターであるリディア・シェルドレイク氏は、「高品質なカーボン市場は、気候変動の影響を受けやすい国々にとって、持続可能で公正な成長のための強力なツール」と述べ、ベナンの取組を歓迎した。

ベナン政府は2018年に国家気候プログラムを創設し、制度面の基盤を整備してきた。本プロジェクトは、カーボンクレジットを活用した官民連携と制度強化をさらに推進し、アフリカ全体における気候ファイナンスのモデルケースとなることが期待されている。

引用:https://vcmintegrity.org/vcmi-partners-with-government-of-benin/