Coryとインペリアル・カレッジ・ロンドン、CCS分野で連携強化

村山 大翔

村山 大翔

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英国の低炭素経済移行を支える人材育成と技術革新を推進

英廃棄物エネルギー企業Cory Groupは10日、CCS分野の発展を目指し、ロンドンの名門インペリアル・カレッジ・ロンドンと戦略的提携を締結した。現場知見と学術研究を融合し、脱炭素社会に向けた技術と人材育成の両面で貢献する狙いだ。

本提携は、Cory社の廃棄物発電に関する実務経験と、インペリアル・カレッジ化学工学部の先進的な研究基盤を結びつけるもの。同学部は英国最大規模のCCS研究拠点を擁しており、4階建てのパイロットプラントを通じて、実規模に近い環境でCO2の回収・処理技術を学ぶことができる。

Cory社は現在、ロンドン南東部ベルヴェデールにあるエネルギー回収施設「Riverside 1・2」で年間140万トンのCO2を回収するCCSプロジェクトを推進中だ。回収されたCO2は、船舶輸送でイミンガム港へ運ばれ、バイキング枯渇ガス田に貯留される計画である。

また、今回の提携では、CCSに関するSTEM教育の促進や、関連分野でのキャリア創出にも注力。英国CCSA(カーボンキャプチャー・アンド・ストレージ協会)によれば、CCS分野は2050年までに5万人以上の雇用創出が見込まれており、次世代人材の確保が産業成長の鍵とされている。

インペリアル・カレッジ側は、研究成果を広く社会に還元し、多様な産業との協働によって持続可能な革新を加速させる方針を示している。

参照:https://www.imperial.ac.uk/news/262855/cory-imperial-partner-drive-innovation-carbon/