CO2除去事業を展開するResidualは5月、CDR(炭素除去)評価機関のIsometricと提携し、高品質なバイオ炭クレジットの市場供給を開始すると発表した。持続可能なCDRの拡大を目指す連携である。
Residualは、バイオマス廃棄物や未利用地の利活用に特化したCDRプロジェクトの企画・設計・商業化を支援している。2030年までに年間500万tのCO2除去を目指している。
厳格な評価基準に準拠、信頼性とスケーラビリティを重視
この提携により、Residualが関与するすべてのプロジェクトは、Isometricの科学的かつ透明性の高い基準に基づいた検証・登録が可能になる。
Residual共同創業者ローラ・フリッチ博士は「買い手が求めているのは、信頼できる、科学的裏付けがあり、リスク管理されたカーボンクレジットだ」とし、データ・文書・品質の三拍子をそろえた供給体制を整備すると述べた。
一方、Isometricは「高水準の品質管理を満たすプロジェクト支援に期待している」とし、脱炭素市場の信頼性向上を共に担う意向を示した。
ボランタリーカーボンマーケットの信頼性向上へ
Isometricは、科学データに基づく厳格な評価基準をもとに、高品質クレジットの登録・監査を行うカーボンリムーバル特化型レジストリとして注目されている。今回の協業により、農業・産業分野における信頼性の高いバイオ炭CDR導入が加速すると見られる。
クレジット購入者、CDRプロバイダー、投資家にとって、バイオ炭分野のクレジットの信頼性が一層向上する契機となる可能性がある。