BASFのケミカルリサイクル素材が自動車業界のカーボンフットプリント削減を後押し

村山 大翔

村山 大翔

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BASFとTE Connectivity(以下、TE)は11日、BASFのケミカルリサイクル素材「Ultramid® Ccycled® ポリアミド」を使用した自動車用コネクターの新製品をCHINAPLAS 2025で共同発表した。Ultramid® Ccycled®は、アジアで回収された使用済みプラスチック廃棄物を熱分解油へと変換し、マスバランス方式で原料に割り当てられた素材で、化石資源を削減しながらも高い性能を維持している。

TEは、新型コネクターにおいてUltramid® Ccycled®の再生素材を一定割合含有させ、製品の品質や性能を維持しながらも、カーボンフットプリントの削減を実現した。これにより、持続可能な材料調達と環境負荷軽減を同時に達成できるとして、次世代自動車用部品のモデルケースとなっている。

TEアジア太平洋地域オートモーティブビジネスユニットのトーマス・シェン氏は、「技術革新とサステナビリティの両立こそが競争力の源泉」と語り、今後もBASFとの協業を通じて環境配慮型ソリューションの拡大を目指すとしている。

ケミカルリサイクル×マスバランスの利点

BASFのUltramid® Ccycled®は、機械的リサイクルが困難なプラスチック廃棄物を再資源化するもので、熱分解油を同社の既存の生産工程に組み込み、ドロップイン可能なリサイクル原料として機能する。

再生材の使用割合は、第三者認証によるマスバランス方式で管理され、製品ごとに正確に割り当てられる。これにより、企業はスコープ3排出削減や調達目標への対応が可能となる。

BASFパフォーマンスマテリアルズ事業本部のアンディ・ポスルスウェイト氏は、「Ultramid® Ccycled®は、当社の循環型素材戦略における重要な柱」と位置づけ、今後は他分野への応用拡大も視野に入れていると述べた。

参照:https://www.basf.com/jp/ja/media/news-releases/asia-pacific/2025/4/apac-25-33